2009年5月29日金曜日

今更聞けないクラウドコンピューティング

少し前から、皆さん『クラウドコンピューティング』という言葉を頻繁に目にされるかと思います。

新聞や、テレビで特集が次々と組まれ『新しい時代の流れ』「ビジネスの大変革』などの言葉で注目されているキーワードの一つです。

ご存知の方も多いと思いますが、クラウドコンピューティングとは何か?というとクラウドサービス提供会社が大規模なデータセンターからソフトウェアやハードウェアをネットワーク経由で提供し、それを利用者がサービスとして利用する事を指します。

従来より、インターネットを図示する再に雲(クラウド)の絵で表現することから、クラウドコンピューティングと呼ばれる由縁となっているようです。

複雑な情報処理はデータセンターなどに設置したサーバー側で行うため、一般利用者はネットに接続していれば端末の性能をあまり気にせずに様々なソフトやサービスを使えます。

また、通常は必要に応じて自らハードウェアやソフトウェアを購入して利用するので、多額の設備投資が必要になりますが、クラウドコンピューティングは、必要なサービスの料金だけを支払うので最低限の投資ですむところにも魅力があります。

これは、利用者にとってはとても便利な仕組みで、最近の低価格パソコンはこのような仕組みが前提になっています。

今更聞けないクラウドコンピューティング

とある業界情報では2015年にはクラウドコンピューティングが企業に浸透するという事です。そして、この流れに反応ている会社も出てきています。

最も早い動きをしたのがIBMです。今年の8月にクラウドコンピューティングセンターを立上げ、社内体制も整えてきています。今後は基盤系を得意とするシステム会社やハードウェアの提供会社も同様の動きが出てくる可能性があります。

先般、NTTはクラウドコンピューティングの研究開発に今後三年間で約450億円を投じると発表しました。また、甲府市は、今年の3月にクラウド技術を使った定額給付金の支給管理システムを稼動させました。

システム開発に要した期間は約二週間で、同市は「コストは従来手法の半分以下に抑えられた」とコメントしています。時代が変わり、時代のニーズで広がりつつある『クラウドコンピューティング』。

今後のエンジニアの皆さんのキャリアパスを考える意味でも注目技術です。


2009年5月22日金曜日

今更聞けないインフラ構築の業務フロー(ネットワークエンジニア編)

●上流工程(客先ヒアリング~詳細設計)

①客先ヒアリング

"お客様が何を求めどのようなシステムを構築したいかなどお客様の考えるシステムの要件を引き出します。既に要求仕様書としてまとまっている場合もあります。"

②客先要件の分析

"ヒアリングした要件(もしくは要求仕様書)を分析し、ネットワーク構成、使用するネットワーク機器(ルータ、スイッチなど)の種類と数、使用する回線の選択、などを行います。"

③提案書作成と提案

分析した要件を検討して、ネットワークシステムを提案書としてまとめます。ベンダによって扱うネットワーク製品が異なるために、小さな機器を複数台使用するか大きな機器でまとめるかなどコストパフォーマンスを含めて検討します。

特に広域回線を利用するネットワークシステムの場合には、回線費用が毎月のランニングコストに大きく関係するので回線の選択はとても重要です。また回線業者も日々新しい安価なサービスを提供していますので最新の情報を常に意識する必要があります。

この点がネットワークエンジニアの腕の見せ所です。その提案書を提案

④基本設計

システムを受注した時には、まずお客様と打ち合わせを実施しながら基本設計を行い基本設計書としてまとめます。基本設計書にはネットワーク構成やバックアップルートの考え方など基本的な考え方を記載します。

⑤詳細設計

基本設計を基に各ネットワーク機器の詳細の設定内容など情報を検討して詳細設計書としてまとめます。

ケーブルの配線のルートなども検討する場合があります。構築のスケジュールを記載した導入計画書、テストの計画を記載したテスト計画書などの仕様書も作成します。

●下流工程(構築~保守)

⑥構築

詳細設計で検討したスケジュールに基づいて実際にネットワーク機器を設置、詳細設計書通りに各種情報をネットワーク機器に設定します。

新規ビルのネットワーク構築の場合にはケーブルの配線の確認から実施する場合もあります。また、多くの拠点を接続するような大規模ネットワークの場合には構築が数ヶ月に渡る場合もあります。

⑦テスト

テスト計画書に基づき設計した通りに動作することを確認します。正常に動作することを1つ1つ項目毎にテストして最終的にお客様へ提出します。全てのテスト項目で合格した後にお客様へ引き渡します。

⑧運用

ネットワークシステムを導入した後には、日々の運用があります。一度導入しても様々な要因でネットワーク機器の設定変更や構成変更などが必要です。特にフィアウォールが導入されている場合には、新たなシステムの導入や増設の際にフィアウォールの設定変更などの作業が発生します。

⑨保守

ネットワーク機器も機械ですから故障が発生します。障害時の切り分けや障害部分の特定などを実施して機器の交換などを実施します。

機器によっては、定期点検を実施する場合もあります。


2009年5月11日月曜日

SEとしてのキャリア経験年数とスキルセットの一般的な目安の図解

アクシスコンサルティング提供するとてもユニークな特集ページです。

今週は、一般的なスキルセット


SEとしてのキャリア経験年数とスキルセットの一般的な目安の図解

1,2年目は主に仕様書作成、コーディング、テストと、SE、プログラマーとして開発経験を積んでいきます。2,3年目になるにつれて、詳細設計、基本設計と徐々に設計領域を経験し、4年目あたりから、要件定義に携わっていきます。2年目以降はSQLなどのデータベース操作言語から始まり、テーブル作成、チューニングなどデータベース周辺を経験します。リーダー経験については、2、3年目あたりから、開発チームのサブリーダーや、1~3名のリーダーから始まり、4、5年目と徐々に人数が増え、モジュールのリーダーなどを経験していきます。また、7、8年目辺りから小規模なプロジェクトのマネージメントからスタートし徐々に大規模なプロジェクトマネージャーとしての経験を積んでいきます。



2009年5月7日木曜日

IT技術者のキャリアパス

IT業界でご活躍の皆様ならどなたでも将来どのようなキャリアを形成していくのか気になるものですよね。今回は、一般的なIT技術者のキャリアパスを図解でご説明します。



<主な業務内容>

■プログラマー

一般的に、システムエンジニアがシステムの設計を行うのに対し、プログラマは設計に基づいて実装のみを行うといいます。

■システムエンジニア

プロジェクトの業務を分析して、どのようなシステムがふさわしいか設計をします。プログラマを束ねて開発プロジェクトを指揮もとります。

■プロジェクトマネージャー

プロジェクトの運営責任者、つまり、プロジェクトマネジメント実践の責任者です。具体的には、プロジェクトの企画・提案、プロジェクトメンバーの指名、社内調整、顧客折衝、要件定義、受注、品質管理、進捗管理、コスト管理、リスク管理などを行います。

■ITコンサルタント

ITとビジネスに関して高度な専門知識をもち、経営者のパートナーとしてITを武器にクライアントの経営課題を本質から解決に導きます。また、システムグランドデザインからシステム設計・開発、実装にいたるまで、クライアントも含めたプロジェクトチームを率います。

■業務コンサルタント

企業の人事・財務・製造・生産のような業務プロセスにかかわるコンサルティングを担当します。仕事内容としては、お客様から経営改善の依頼を受け、その企業の組織や経営実態を調査して問題を診断し、そこから冷静な判断で分析し改善方法をアドバイスをします。

■ヘルプデスク

企業内で、顧客や社員など内外からの問い合わせに対応をします。製品の使用方法やトラブル時の対処法、苦情への対応など様々な問い合わせを一括して受け付けます。技術の進歩に伴って問い合わせも高度化・増加しており、顧客満足度の上昇や社内システムの円滑な運用には欠かせない役割とされています。

■システム運用エンジニア

システム全体の運用・保守や、業務の稼動監視などを行います。

■インフラエンジニア

インフラ構築・運用設計を行います。基盤構築から運用保守まで豊富な案件があるため、サーバー、ネットワーク、データベースなどの多様なスキルが必要となります。

■DBスペシャリスト

お客様の業務要件を正確に把握し、データベースの論理設計、物理設計、構築、インストール、チューニング、エンジンの検証等を担当します。データベース技術の最近の動向や製品の検証等も行います。

■アーキテクト

顧客の経営戦略、ビジネスモデル、業務要件を理解し、将来的な拡張性も踏まえた上で、最適なITアーキテクチャ設計から構築・検証まで一貫して責任を持つスペシャリスト。その他、最新の技術動向や市場の調査と研究、製品の検証を行い全社にフィードバックする役割も担います。


2009年4月20日月曜日

IT業界受注構造

言わずと知れたIT業界の一般的な受注構造図です。一般的に、エンドユーザーから直接案件を受注している元請会社が顧客管理、要件定義、プロジェクト管理を行い、開発以降フェーズがパート名企業(いわゆる2次請企業、3次請企業)が行っているのが現状です。お客様(エンドユーザー)から貰う賃金に関しても、上流工程の元請が多く、下流工程になるにつれて少なくなっていきます。


IT業界受注構造

2009年4月14日火曜日

業務システム開発プロセスと成果物

プロジェクト計画から運用まで、業務システム開発プロセスと各フェーズにおける成果物の一般的なフロー図をご紹介します。

特徴としては、業務要件定義など上流工程においては、クライアント人数が多いですが、開発フェーズになるにつれて、システム人数が徐々に増えていきます。

開発が終了し、データ移行、本番運用になるにつれて、システム人数は減っていき、実際そのシステムを使用しているクライアント人数(オペレーター等)が増えていくことになります。

そしてまた、業務プロセスの修正や追加案件等でプロジェクト計画~要件定義のサイクルが始まっていきます。

皆さんは、どのフェーズでどのように業務に携わっていますか?

各フェーズにおける成果物の一般的なフロー図。↓クリックするとおおきくなります。




2009年4月10日金曜日

IT LEADERの為の今更聞けない『工事進行基準』

アクシスコンサルティング提供するとてもユニークな特集ページです。単なるIT業界情報、企業情報、案件情報にとらわれない、皆様が気になる情報、知りたいけど中々知れない情報を定期的にお届けします。これは必見です!

IT業界でも2009年4月以降の会計年度から適用される「工事進行基準」。

これからIT LEADERを目指す人であれば、知っておいた方が良いと思います。

という事で3分でわかる工事進行基準の基礎です。

一般的には製品の出荷や納品、検収の時点で売上を計上しているとおもいます。しかし、建物の建設やシステム開発などサービスや物品の提供にある程度時間がかかる契約(工事契約といいます)では、「工事完成基準」と「工事進行基準」のどちらかの売上計上基準が採用されます。

簡単に違いを言えば

  • 工事完成基準 ・・・ 工事が完成したら一括して売上計上する
  • 工事進行基準 ・・・ 工事のできた分だけ少しずつ売上計上する

です。

例えば、上記の様なプロジェクトがあったとします。それぞれの基準に合わせると

工事完成基準

2008年11月 0円計上
2009年03月 0円計上
2009年10月 1億円計上

工事進行基準

2008年11月 0円計上
2009年03月 4000万円計上
2009年10月 6000万円計上

となります。簡単ですね。

しかし、この基準を適用する為の条件があります。

「『工事収益総額』『工事原価総額』『決算日における工事進捗度』を信頼性をもって見積もること」

簡単に言えば、事前にシステム全体の総売上、総コストが正確に見積もられていて、進捗が正確に把握できることとなります。

つまり事前にFP法などの手法を駆使して事前に正確なコスト計算が必須となるのです。またプロジェクト中の仕様変更にともなう進捗率の修正の対応も大切です。


よってFP法など各種管理手法はより重視されそうです。今後のキャリアアップのために、勉強しておくと良いかもしれません。