2009年5月22日金曜日

今更聞けないインフラ構築の業務フロー(ネットワークエンジニア編)

●上流工程(客先ヒアリング~詳細設計)

①客先ヒアリング

"お客様が何を求めどのようなシステムを構築したいかなどお客様の考えるシステムの要件を引き出します。既に要求仕様書としてまとまっている場合もあります。"

②客先要件の分析

"ヒアリングした要件(もしくは要求仕様書)を分析し、ネットワーク構成、使用するネットワーク機器(ルータ、スイッチなど)の種類と数、使用する回線の選択、などを行います。"

③提案書作成と提案

分析した要件を検討して、ネットワークシステムを提案書としてまとめます。ベンダによって扱うネットワーク製品が異なるために、小さな機器を複数台使用するか大きな機器でまとめるかなどコストパフォーマンスを含めて検討します。

特に広域回線を利用するネットワークシステムの場合には、回線費用が毎月のランニングコストに大きく関係するので回線の選択はとても重要です。また回線業者も日々新しい安価なサービスを提供していますので最新の情報を常に意識する必要があります。

この点がネットワークエンジニアの腕の見せ所です。その提案書を提案

④基本設計

システムを受注した時には、まずお客様と打ち合わせを実施しながら基本設計を行い基本設計書としてまとめます。基本設計書にはネットワーク構成やバックアップルートの考え方など基本的な考え方を記載します。

⑤詳細設計

基本設計を基に各ネットワーク機器の詳細の設定内容など情報を検討して詳細設計書としてまとめます。

ケーブルの配線のルートなども検討する場合があります。構築のスケジュールを記載した導入計画書、テストの計画を記載したテスト計画書などの仕様書も作成します。

●下流工程(構築~保守)

⑥構築

詳細設計で検討したスケジュールに基づいて実際にネットワーク機器を設置、詳細設計書通りに各種情報をネットワーク機器に設定します。

新規ビルのネットワーク構築の場合にはケーブルの配線の確認から実施する場合もあります。また、多くの拠点を接続するような大規模ネットワークの場合には構築が数ヶ月に渡る場合もあります。

⑦テスト

テスト計画書に基づき設計した通りに動作することを確認します。正常に動作することを1つ1つ項目毎にテストして最終的にお客様へ提出します。全てのテスト項目で合格した後にお客様へ引き渡します。

⑧運用

ネットワークシステムを導入した後には、日々の運用があります。一度導入しても様々な要因でネットワーク機器の設定変更や構成変更などが必要です。特にフィアウォールが導入されている場合には、新たなシステムの導入や増設の際にフィアウォールの設定変更などの作業が発生します。

⑨保守

ネットワーク機器も機械ですから故障が発生します。障害時の切り分けや障害部分の特定などを実施して機器の交換などを実施します。

機器によっては、定期点検を実施する場合もあります。